「水かけ不動」の名で親しまれている、法善寺の西向不動尊。そもそもは、お供え物を持ち合わせていなかった参拝客が、思わず水をかけて手を合わせたのが始まりだと伝えられている。それ以来「水かけ不動」として有名になった。苔に包まれてすっかりきれいな緑色になったお不動さんの姿を見れば、たくさんの人たちが水をかけて願いをこめてきた歴史の長さが偲ばれる。「水をかけて、願もかける。語呂合わせですが、そういう意味もこめられています」(法善寺の住職談) すぐそばに、大阪を代表する作家、織田作之助(おださくのすけ)の『夫婦善哉』に登場する店がある。