「やきもの」には、どんなのがあるの?
それは、5つに分類することができます。「土器」 「陶器」 「磁器」 「せっ器」 「その他」それぞれの特徴を覚えときましょうね。便利ですよ。!!
土器(どき)・人類が初めて作った「やきもの」
粘土を原料にして、無釉、素焼きで、700~800℃の低温で焼かれたもの。植木鉢、焙烙として使われ、水漏れするので食器には向きません。
最も原始的な「やきもの」で、日本でも1万年も前の縄文土器にあります。
人類はそれまで、貝殻や竹の器を使ったと見られますが、粘土を形づくって器にする、そして、それを「焼く」というイノベーションは、人間の叡智が作らせた一大発明だったと言えるでしょう。
単純な工程でつくられますが、こうして、「土器」は煮炊き用品から様々な用途に使われていったのです。
陶器(とうき)・土器に釉薬を施した
唐津焼
萩焼
織部焼
志野焼
粘土質の素土を焼いたもので、一般に、「土もの」と言われます。吸水性のある土器に釉薬を施しその欠点を取り払います。
素焼きした後に、下絵付け、施釉、本焼き、1100~1200℃で焼き上げます。
不透光性で、貫入など、手づくりの良さと、ぬくもりのある感触が引き出せます。
産地には、益子・相馬・笠間・織部・志野・薩摩・唐津・萩焼などその他、特徴のある手法で、日本の各地で焼かれています。
扱いには、特に、神経を使うほどではありませんが、柔らかいものは、洗ったあとには、陰干しがよろしいでしょう。
磁器に比べれば、厚味があり、素朴な温かみが楽しめるでしょう。
磁器(じき)・優れものの「やきもの」
石の粉に粘土や石英などを混ぜた陶石を原料にします。
陶器や土器の「土もの」に対して、「石もの」と呼ばれます。
素土が白く、吸水性がなく、透きとうるような「やきもの」。1300℃前後の高温で焼き上げます。
端正な形に色絵が施され、製作に非常に手間がかかり、高度な技術が必要です。
吸水性がない上、釉薬をかけてあるので、汚れや匂いが付きにくく、薄手ですが、硬くて耐久性があるので、永く使っても、陶器よりももちがいい。日常の器に最適でしょう。
産地には、有田焼・伊万里焼・九谷焼・京焼/清水焼・瀬戸焼・美濃焼・砥部焼・出石焼など。
きめこまかさとゴージャスな質感に圧倒されます。
せっ器・陶器と磁器の中間のやきもの
備前焼
常滑焼
信楽焼
火辺に石と書き、せっ器。「せっ」は、漢字にない文字を使っていますが、これは、「ストーンウェア」と言う英語の当て字で、明治40年頃つくられ、石のように硬いやきものと言う意味です。
吸水性のない素土に釉薬をかけずにつくる、「焼きしめ」と呼ばれる「やきもの」です。(ときに、釉薬をかけるのもある。)
鉄やアルカリなどを多く含む粘土を使い、1200~1300℃の高温で、長時間焼かれます。
陶器と異なり吸水性のない素土を使い、、磁器と異なり不透光なのです。
産地には、備前焼・常滑焼・信楽焼・萬古焼・伊賀焼など。その土地ならではの「土」のあじを持ち、独自のやきが開発されています。
その他の磁器
特殊精密磁器(ファインセラミックス)があります。
IC回路の基盤や高熱用触媒などに使われ、
殆どが食器以外の用途に使われています。
最近新製品として、セラミック包丁が製造され、
京セラの素材と刃物製造技術が融合したもので、
未来の包丁と言われています。
ファインセラミックスの利用は、
始まったばかりの、21世紀の新素材です。